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ボイラーってなんだろう?ボイラー大百科

ボイラの種類・用途

ボイラは、法規(ボイラおよび圧力容器安全規則)と規模による二つの分類で表すことができます。

法規によるボイラの種類

ボイラを法規(ボイラおよび圧力容器安全規則)によって分類すると、次のようになります。
温水が必要ならば、「真空式温水ヒータ」または「無圧式温水ヒータ」、蒸気が必要ならば、「ボイラ」と判断することができます。

法規によるボイラの種類

鋳鉄製ボイラ

鋳鉄で作られたボイラのことをいいます。
主として暖房用の低圧の蒸気ボイラ、または温水ボイラとして使用されており、構造規格で蒸気ボイラとして使用する場合は0.1MPa以下、温水ボイラとして使用する場合は水頭圧0.5MPa以下、温水温度120℃以下という条件があります。

メリット

  • 本体は鋳造品であるため、同一出力のボイラでは鋼製に比べて価格が安く、組立て工事が簡単。
  • 能力当たりの形状割合が小さく、据付場所をとらない。
  • セクションによる組合わせ式なのでボイラ容量が適量なものにできる、容量の増減も中セクション増減によって変更できる。
  • 運搬、修理、取替えなどに便利。
  • 鋳造するので角型や不定型にと、目的に適合する形状に作ることができる。
  • 鋳鉄という材質上、腐食しにくく、鋼製に比べ2~3倍も寿命が長い。
  • 取扱や保全管理が比較的簡単。

デメリット

鋳鉄の特性上、低温低圧でしか用いられず、圧力や温度の急変には鋼製ボイラにくらべて弱く、内部(水部や蒸気部)は狭く複雑なので、掃除や点検などが極めて困難なため、水の不純物によるトラブルを防止するために特別な場合を除いてボイラ水を循環使用する場合しか用いられない。

このような特性から、鋳鉄製ボイラはビルなどの暖房用、給湯用の低圧ボイラとして最適ということになり、とくに運転中や休止中も腐食しにくいという長所は冬期だけ運転、それ以外の時は使用を休止するという暖房用としてあるいは給湯用としても好都合である。

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鋼製ボイラ

鋼で作られたボイラのことをいいます。鋼製のボイラには、以下の種類があります。

■丸ボイラ   (1)立てボイラ  (2)炉筒ボイラ (3)煙管ボイラ  (4)炉筒煙管ボイラ
■水管ボイラ (1)自然循環式水管ボイラ  (2)強制循環式水管ボイラ (3)貫流ボイラ
■特殊ボイラ (1)廃熱ボイラ  (2)特殊燃料ボイラ (3)特殊熱媒ボイラ  (4)その他(電気ボイラなど)

メリット

  • 圧力や温度の急変に強く、高圧高温にも対応できる。
  • 内部(水部や蒸気部)がシンプルなので、掃除や点検などがしやすい。

デメリット

鋳鉄製に比べて価格が高く、大型なので据付場所の確保が必要。運搬、取替えなどが大変である。

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真空式温水ヒータ

通常ボイラは、ボイラ缶体内で直接水を加熱して温水を発生させます。
ボイラの一種でもある真空式温水ヒータの場合は、缶体内を減圧状態にして水を100℃以下の低温で沸騰させ、その蒸気を熱源として熱交換器により直接的に水を加熱して温水を発生させます。

真空式温水ヒータには、ボイラにはない次のような特長があります。

メリット

  • 低温で熱交換を行うため、効率がよく経済的。
  • 真空保持されているため、空気による缶体内の腐食が抑えられ、寿命が長い。
  • 「ボイラ及び圧力容器安全規則」による届出や、検査及び取扱資格が不要で、誰でも簡単に使用できる。

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無圧開放式温水ヒータ

無圧開放式温水ヒータは、ヒータ缶体に大気開放タンクを設け、缶体を無圧としています。付属の熱交換器で缶水と熱交換された有圧の温水を供給します。

無圧開放式温水ヒータは、厚生労働省 労働安全衛生法に該当しないということから次のような特長があります。

メリット

  • ボイラ技士の資格が不要。
  • 法定定期検査が不要。
  • 労働安全衛生法で言う届出が不要。
  • 熱交換器の最高使用圧力で温水を供給できる。
  • 缶体は大気開放であり、全く圧力がかからないため安全である。
  • 缶体は無圧のため、熱交換器や貯湯タンクは圧力容器の適用を受けないので、届出、取扱資格、検査は不要。
  • ボイラでないため遠方発停も容易にできる。
  • 原理・構造が簡単で取扱いが容易である。

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規模によるボイラの種類

ボイラは、その大きさなどの規模によって小さいものから、簡易ボイラ、小型ボイラ、ボイラに区分され、それぞれの危険度に応じて段階的に規制が厳しくなっています。

簡易ボイラ (免許不要)

次のいずれかに該当する規模の小さいボイラを「簡易ボイラ」といい、簡易ボイラ等構造規格の遵守が義務付けられていますが、ボイラ及び圧力容器安全規則の適用が除外されており、監督官庁などによる検査は義務付けられていません。

  • ゲージ圧力0.1MPa以下で使用する蒸気ボイラーで、厚生労働省令で定めるところにより算定した伝熱面積(以下「伝熱面積」という。)が0.5㎡以下のもの又は胴の内径が200mm以下で、かつ、その長さが400mm以下のもの。
  • ゲージの圧力が0.3MPa以下で使用する蒸気ボイラーで、内容積が0.0003m3以下のもの。
  • 伝熱面積が2m2以下の蒸気ボイラーで、大気に開放した内径が25mm以上の蒸気管を取り付けたもの又はゲージ圧力0.05MPa以下で、かつ内径が25mm以上のU形立管を蒸気部に取り付けたもの。
  • ゲージ圧力0.1MPa以下の温水ボイラーで、伝熱面積が4m2以下のもの。
  • ゲージ圧力1MPa以下で使用する貫流ボイラー(管寄せの内径が150mmを超える多管式のものを除く。)で、伝熱面積が5㎡以下のもの(気水分離器を有するものにあっては、当該気水分離器の内径が200mm以下で、かつ、その内容積が0.023以下のものに限る)。
  • 原理・構造が簡単で取扱いが容易である。

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小型ボイラ (要資格)

簡易ボイラより規模の大きいボイラで、次のいずれかに該当するものを「小型ボイラ」といい、小型ボイラ及び小型圧力容器構造規格の遵守、製造時の個別検定、設置時の設置報告などが義務付けられています。

  • ゲージ圧力0.1MPa以下で使用する蒸気ボイラーで、伝熱面積が1㎡以下のもの又は胴の内径が300mm以下で、かつ、その長さが600mm以下のもの。
  • 伝熱面積が3.5m2以下の蒸気ボイラーで、大気に開放した内径が25mm以上の蒸気管を取り付けたもの又はゲージ圧力0.05MPa以下でかつ内径が25mm以上のU形立管を蒸気部に取り付けたもの。
  • ゲージ圧力0.1MPa以下の温水ボイラーで、伝熱面積が8m2以下のもの。
  • ゲージ圧力0.2MPa以下の温水ボイラーで、伝熱面積が2m2以下のもの。
  • ゲージ圧力1MPa以下で使用する貫流ボイラー(管寄せの内径が150mmを超える多管式のものを除く。)で、伝熱面積が10m2以下のもの(気水分離器を有するものにあたっては、当該気水分解器の内径が300mm以下で、かつ、その内容積が0.07m3以下のものに限る)。

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ボイラ 通称:小規模ボイラ(要資格)

簡易ボイラ及び小型ボイラのいずれにも該当しない規模の大きいボイラで、製造許可をはじめ、製造、設置、使用中などの各段階での監督官庁などによる検査が義務付けられています。
また、このボイラについて、取扱うことの資格者などの関係から、整理上、次に該当するもの(小型ボイラ及び簡易ボイラに該当するものを除く)を通称として「小規模ボイラ」と呼んでおり、ボイラ取扱技能講習修了者が取り扱うことができます。
なお、この「小規模ボイラ」は法令用語ではありません。

  • 胴の内径が750mm以下で、かつ、その長さが1300mm以下の蒸気ボイラー。
  • 伝熱面積が3m2以下の蒸気ボイラー。
  • 熱面積が14m2以下の温水ボイラー。
  • 伝熱面積が30㎡以下の貫流ボイラー(気水分離器を有するものにあっては、当該気水分離器の内径が400mm以下で、かつ、その内容積が0.4m3以下のものに限る)。